「子どもの身体活動・体力」に関する
国際研究拠点を形成する

私たちの研究室では、「子どもの身体活動・体力」をテーマに、世界各国の研究者と連携し、先進的な研究に取り組んでいます。 日本の学校や教育現場が持つ独自のデータ(体力、学校保健、母子保健など)を活用し、国際的な課題解決に貢献することを目指しています。これにより、世界をリードする研究を実現し、「子どもの身体活動・体力」に関する国際的な研究拠点の形成を進めています。

早期生活習慣病予防に関する研究

生活習慣病は主に中高齢期以降に発症することが多い一方、その起源は幼少期から始まると言われています。たとえば、動脈硬化は子どもの頃から進行が始まることが報告されています。また、幼少期に形成される生活習慣(身体活動、睡眠、食事など)やリスク要因(血圧、コレステロール値、肥満)は、成人後の健康に影響を与えることが知られています。
私たちは、予防医学の観点から生活習慣病を未然に防ぐことを目指し、特に子ども期の身体活動に焦点を当てた研究に取り組んでいます。この研究を通じて、子どもの身体活動を増進させることで、健康な子どもだけでなく、将来の健康な大人を育み、ひいては集団全体の健康増進に貢献することを目指しています。
世界各国の研究者と連携した国際共同研究

私たちの研究室では、英国、豪州、カナダ、ケニア、ニュージーランドをはじめ、世界各国の研究者と連携して国際共同研究を進めています。特に、子どもの体力に関する国際共同プロジェクトでは、50ヵ国以上の研究者と協力し、幅広い視点での研究を展開しています。
国際共同研究は、日本の優れた側面や課題を再発見する機会を提供し、「外」の視点から日本の現状を見直すことで、新たな知見やアプローチを生み出します。また、これらの取り組みを通じて、研究室では次世代を担うグローバル人材の育成にも力を入れています。
ビッグデータを活用した研究

日本では、体力テストや学校検診、母子手帳など、多様な健康関連データが長年にわたり蓄積されています。これらの調査の充実度は国際的にも類を見ないものであり、日本はこうしたデータを活用して世界をリードする研究を実現できるポテンシャルを持っています。しかしながら、こうした貴重なデータを活用した研究成果が国際学術雑誌に発表されることはまだ少ない現状にあります。
私たちの研究室では、1600万名以上の体力データを活用するなど(Kidokoro et al, Journal of Sport and Health Science, 2023)、ビッグデータを駆使した研究を推進し、日本発の世界をリードする研究を目指しています。
「動きのある学校づくり」に資する研究

学齢期の子どもたちは、起きている時間の多くを学校で過ごします。そのため、学校内のさまざまな場面で身体活動を促す仕掛けを取り入れることが重要です。身体活動というと体育の授業を連想しがちですが、それだけではありません。通学時の歩行、休み時間や放課後の活動、さらには授業中に身体を動かす工夫を取り入れることもできます。たとえば、私たちの研究室では、子どもたちが座り続ける時間を減らすことを目的に、小学校のクラスに立って学べるスタンディングデスクを導入する取り組みを行いました。
私たちは、学校現場の先生や教育委員会、企業など、多くの関係者と協力し、子どもたちが自然に身体を動かしたくなる学校環境の整備を目指して研究を進めています。
本研究プロジェクトの詳細は、以下のボタンからご確認いただけます。ぜひご覧ください。